FP事務所のんだら舎のブログ

たまに脱線アリ。いろいろな情報を楽しく発信していきます!

【改稿】相続における『庭石』と『墓石』

 
 以前好評だった記事を振り返ってみたいと思います。
 
 『庭石』って相続にあたるの?・・・というお話です。
 
 建物に評価額があるように、立派な庭石もまた相続の対象になります。
 
 意外に、庭木や庭石は税法上の相続財産にならないと思い込んでいるかたもおられるようですが、価値が在るものならば、『税法上の財産』になり、相続時の時価(市場価格)で評価します。『盆栽』がその代表格かもしれません。
 
 あくまで、客観的に判断して「価値がある(市場価値がある)」ということです。ここが判断に難しいところです。
 
 被相続人が生前、常日頃口にしていた『うちにある文鎮は国宝級だ』などといった言葉を信じたがために、被相続人死亡後、相続人間で相続税の心配をしていたところ、よくよく調べてみると文鎮が、『甲製鉄所勤続40年退職記念贈呈品』としてYAHOOオークションで大量に『最低価格100円』で入札にあがっていた…などという、笑い話も実際にありましたので、素人判断ではなく、心配ならば専門的に価値があるのかないのかをきちんと見極めてもらったほうが良いかと思います。
 
 
 庭石に似て非なる『墓石』。
 
『お墓って節税になるんですよね』とか
『お墓って相続税が課されないんですよね』・・・と、よく問い合わせで受けます。
 
 漠然とした質問ですが、これらには、『ええ』としか答えられません。
 
 問い合わせに対してこちらから訊いてみます。
 わたし:「相続税を支払わなきゃならないほど資産をお持ちなのでしょうか?」
 相談者:「そんなのあるわけないでしょ(゚Д゚)ノ」
 
 被相続人の生前での、お墓の購入は「現金」という資産を減らすことができます。
 お墓自体は相続財産にならないので、「現金」が減れば課税財産もまた減る、めでたしめでたし・・・ということなのです。
 
 窮極、相続税が課税される程資産を持っていなければ、被相続人が亡くなったあとに購入しようが、税法上の影響がないというだけなのです。
 
 むしろそれよりも、なくなる瀬戸際に被相続人が、慌てて立派な墓を購入して、亡くなった後、『そのあと墓を誰が引き継ぐんだ』などという親族の内輪もめのほうが問題です。昨今、後継がなく『墓じまい』も多いそうです。
私も未婚で子供もなく、まあ直近もそれらしい話はなく、今後ともないだろうとは覚悟していますので、他人事ではありません。
 
 閑話休題被相続人が購入したお墓の購入の債務(非相続人がお墓を購入したが購入代金を払わないで死んでしまった等)は、相続人に引き継がれる(相続人がお金を払わなければならない)のですが、相続税を計算する際の債務控除にはあたらないので、ご注意を。つまり、相続財産でない『墓石』の購入代金は相続税の計算に入れないことから、それについての債務もまた考慮しない、ということです。
 
 ある程度、庭をお持ちで、盆栽などがたくさんある『日本庭園』のようなものは、どうしても評価が難しいところがあります。ちなみに相続税を扱う税理士さんの実務上では、とりあえず申告期限までに間に合わせるために(間に合わなければ無申告加算税や延滞税などの付帯税がかかってしまうので)大体の目安で相続財産(課税財産)を多く見積もって、相続税額を算出し支払った後に再度、正確な課税財産を計算した後、『更正の請求』をし、払いすぎた分を取り戻すということが多いようです(手を抜いて更正の請求をしない先生もいるようですが)
 

f:id:gyouseifp:20180108124902j:plain

追記:

 画像は永平寺の参道の石材店で売られていたという『怪石』。

 一応販売されていたということなのですが、購入した人に病気や事故などの不運があるのでいつも店に返され、心霊研究家故・中岡俊哉氏(昭和57年当時)に引取りの依頼があったものだそうです。

 このような『霊障』があると祀られている石はどのような評価なのでしょうかね。処分するにも困りますし(;>_<;)。税制上では、無償で引き取ると、引き取った側に一定額以上から税金が課されますし、あげた側も「商品」ということで評価損計上が認められず「損金不算入」だしと・・・・まあ、考えないことにします。こういうのを残されたりすると、相続人は処分に困りますね(;´Д`)。

 

f:id:gyouseifp:20180107223912j:plain