今回は『民事信託』における『銀行商品』のお話。
このテーマでほかで投稿したところ非常に反響が悪かった(笑)のですが、面白みのないテーマなのでしょうか。テレビ局が視聴率の悪かった2時間ドラマを再放送するそれではないですが、ブログに投稿します。
銀行には『遺言信託』と『遺言代用信託』という商品があります。非常に紛らわしい。この2つの商品、「読んで字のごとく」ではないのがまた面倒。
『遺言信託』は、信託ではありません(笑)。「遺言の内容を粛々とすすめてあげますよ」というもの。いわば遺言書で指定する「遺言執行人」に近い形のモノです。これは、信託銀行以外の金融機関で多く扱っている商品になります。「遺言書預かり執行サービス」と表現したほうが判り易いでしょうか。
『遺言代用信託』は、「代用」と言っていますが本物の信託です。遺言のように「代用する」信託という意味です。こちらは、信託銀行が『受託者』として財産管理を行うものです。
前者と後者の違いは『財産管理』があるかないかです。信託財産として『受託者』の身分で管理することは「信託業法」で規制されます。今は緩和されて、信託銀行以外でも受託者としての業を行えるようになりましたが、敢えて同じ土俵でノウハウもないところでリスクをとってまで競争に参入するのは野暮・・・ということだけなのです。
銀行商品ではない、通常の「家族信託」と呼ばれる民事信託では受託者は委託者の身内の方が引き受けることが多いです。
ちなみに、この理屈は、「ペット信託🄬」を設計するにおいても、気を付けなければならない点になりますが、次回のネタとしてとっておきましょう(;^_^A。
必ずしも「遺言代用信託」は信託銀行に頼まなければならないというわけでもなく、専門家に頼んでカスタマイズしながら、信託契約を作成しても構わないわけです。銀行を活用するメリットとしては「商品化している方がラク」「税制についてあれこれ悩まなくて良い」という点でしょうか。
ある程度の財産をお持ちの方であれば、信託銀行等の金融機関を活用する必要がありますが、財産はそれほどないけれど、財産の引き継ぎ・管理はスムーズに行いたい…という方は、信託契約書を行政書士などで比較的格安に作成してもらえるので、活用するのが良いように思われます。もちろん当事務所でもお引き受けいたします(営業トーク)。