FP事務所のんだら舎のブログ

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【改稿】こんな相続対策ならゴメンだ(`Δ´)!

相続対策をしたことで、最悪になるケースもあります。

 

「遺言書は書きたくなければ、書かないほうがいい」

以前、にこのように投稿しましたが、「書くな」というわけではありません(^_^;)。

中途半端なことをするくらいならしない方が良いということです。

本屋で「エンディングノート・遺言書の書き方」を読んで、見よう見まねで自筆証書で作る遺言書が、どれだけ活きたものになるか?それは判りません。

だいたいその手の本を書いている人は弁護士だったりします。なぜ弁護士がそのような本を書くのか、勘のいい人ならおわかりでしょう。

もし本当に遺言書を作るのであれば、信頼できるところに相談して色々と考えられるリスクや説明を聞き、疑問点を解消しながら作ることが大事です。それは自筆証書遺言でも同じことです。

 

遺言どおりに手続きをしてくれる「遺言執行人」を指定しておくのが良いと思います。

ただし「それ目当ての士業」もいますので注意が必要です。

というのは、遺言執行人に報酬として相続財産の何%という形で報酬を払うとした場合、相続財産が土地建物くらいしかなかった場合、その費用を相続人はどこから捻出するのか?

遺言書を書いた時、遺言執行人に報酬が発生することを被相続人は知っていたかどうか?

怪しいところです。

 

また、自筆証書遺言で注意ですが、信頼できるからといった理由で「相続人」を指定するというのはやめたほうがいいです。遺言書の内容に納得がいかない別の相続人等から「遺言執行者が被相続人に遺言書を無理やり書かせたのではないか」などと言いがかりをつけられ、遺言書自体の無効を主張される恐れがあります。

 

数年前、「相続対策は不動産で」などと煽って大儲けした相続コンサルタント。もちろんバックに住宅メーカーがいるのですが、多くの方が相続対策として、不動産で行いました。いまはどうでしょうか?言わずもがなです。

当時「お金があるのなら税金で払ってしまうのが一番いいことですよ」とアドバイスしたものの、結局借入してアパートを建築し、賃料を下げても1/3の入居率というお客様を目にしています。

皮肉なことですが、貸家建付地としての相続評価の効果よりも、借金の負担が重くのしかかり、結果として相続税は払わずに済むことになるでしょう。

 

コンサルタントの名前は敢えて言うこともありませんが、今度は「相続は不動産だけで対策するものではない」などという主張で講演し稼いでいます。

(;゚Д゚)!…ですね。怖いですね。 

 

最近流行りの「家族(民事)信託」もしかり。どんなリスクがあるのか、プロでも本当のところはわかりません。

内容が不備というレベルのリスクではなく、今後税制改正でどのように封じ込められるかどうか、という意味です。

すでに「一般社団法人を使った自社株の移動」において、一部税金の抜け道となっているスキームを封じ込めるべく改正が行われました。今後は一般社団法人を使った民事信託にもメスが入らないとも言えません*1

 

民事信託は「福祉のために使うべきで、相続(税金)対策のために使うべきではない」と、普段から私が主張しているのもここにあります。

かつての「航空機リース」「自動販売機スキーム」「タワーマンション節税」もあっという間に封じ込められました。

 

民法上、税制上どちらにおいても「間違いがない」という対策など、蓋を開けてみなければ、どういう結果に転ぶのかなどというのは、本当はわからないのです。

 

相続対策で重要なのは「あるべき姿」を目指すことも大事ですが、「最悪な場合を回避する」ことに主眼を置かれると、最悪な事態を想定している分、意外に思ってたよりスムーズにことが済んでホッとした…となることが多いのです。

 

 

 

gyouseifp1987.wixsite.com

 

 

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安易な相続対策で予期せぬ結果となり、すべてを失う…そのようなケースはないとは言えないのですね。

 

※ 今回の投稿は、2018年3月14日投稿したものを一部表現等を修正し、ほぼ当時の原文のまま再掲しています。

*1:平成30年度税制改正