広島の可部線という鉄道のおはなし。
採算が取れない区間ということで、バッサリ切り捨ててしまった区間を再度見直し、新たに地元からの要望を勘案し、採算の取れそうなところまで再度延伸、ということです。
一回廃止された鉄道が復活するというのも珍しいのですが、復活する際にあたって問題になったのが『踏切』。
踏切設置のお金がないとかそういう問題ではなくて、2002年に施行された「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の第39条に、「鉄道は、道路と平面交差してはならない」とあるかららしいのです。
つまり最近では、『踏切設置』を認めていないのです。
今は安全面から「立体交差にしろよ」ということらしい。
時代が変われば最善とする方法も変わるものです。
今では歩行者の横断事故激減に一役をなした『歩道橋』も、補修・撤去の負担が重いことから、悪者視されてますし。
閑話休題。
しかし、やはり例外があって「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」には「新幹線又は新幹線に準ずる速度で運転する鉄道以外の鉄道であって、鉄道及びこれと交差する道路の交通量が少ない場合又は地形上等の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない」という例外規定があるのです。
今回はこれを拡大解釈して、何とかして踏切設置可にこぎつけた、ということです。
「やむをえない」「正当な理由」は、しばしば行政法の分野でもお目にかかります。
やむをえない ≒ やるのには理由がある ∧ 代替がない
正当な理由 ≒ やるのには理由がある
こんな感じのイメージでしょうか。
こうやって条文を読んだりしていくと結構面白いものです。
えっ!面白くない。それは失礼いたしました。