FP事務所のんだら舎/行政書士新山文敏事務所 ブログ通信

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【改稿】保険約款・特約のこぼれ話

YAHOOブログ 2016/2/28投稿
 はてなぶろぐ 2016/9/30投稿
 
 先日、このブログで何度か出没している例の『だんな』と話をしていた際、自動車保険に『弁護士費用特約』をつけられて、等級が上がっているのに保険料が高くなった。と愚痴をこぼされました。
 
 私自身が最近自動車保険の実務に携わっていないので、迂闊なことは言えませんが、近年では特約でなく、基本契約にこみこみで発売している商品もあるのではないかと思います。
  その『弁護士費用特約』。
 実は以前にですね、無保険車障害条項(保険の入っていない車と事故にあった場合、自己の保険契約から保険金が出るというもの)で保険金請求を争った原告が『本件事故との相当因果関係があると認められる範囲で無保険車傷害保険による損害填補を受けるか否かという点にあるので、弁護士費用もここに含まれると思うのでその分も請求できますよね』と主張したのです。
 
 保険会社の方は拒否。しかし保険会社が裁判で負けてしまったんですね(つまり原告の主張を認容)。(東京高裁平14.6.26)
 
 それによって痛い損失を被った保険会社が『特約に入っている人だけ費用を払う』
ということにしたのです。
 
 つまり契約時に契約書に書いてなければいくらでも、理由をつけられ請求される恐れがあるので『約款』での縛りや『特約』を設けることで、それを回避しているところがあるのです。
 
 例えば、昔にはこんなこともありました。
 
 X組合の法人専務理事だったAが、自分のお金の使い込みがバレそうになったので、X組合所有の建物(事務所)に火をつけて、証拠隠滅を謀ったケース。X組合側は『事務所建て直すんで火災保険金くださいな』と保険会社に請求。もちろん保険会社が拒否。
 
結局は、
法人Xの専務理事Aが、もっぱら自分の法人に対する犯罪を隠す目的で保険の目的物に放火して保険事故を承知させた場合には、Aの行為はXの職務の執行行為としてしたものではないから、商法396条(昭和17年改正前商法、現・保険法17条1項前段)にいわゆるXの悪意(故意)で招致されたものとはいえない。(大判昭.7.9.14)
 ということで保険会社の負け。つまり判決では、
 
  • 法人の役員の放火≠法人の行為
  • 法人の役員の放火=個人的行為
 このような考えから、保険金が支給されるという判断なのです。
 
 この判決のような考え方を採れば、暴論を言えば『放火する行為が業務行為』とならない限り、機関の事故招致はいつでも法人のそれと同視できないことになり、保険制度の悪用が懸念されることは明らかなので、現在では学説も支持はほとんどなくなているのが現状です。
  ちなみに今では約款に『法人の機関による事故招致は免責』と書いてあります。
  こんなことを繰り返しながら、『特約』と『約款』はどんどん膨らんでいるのです。

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