FP事務所のんだら舎のブログ

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損害保険金上の損害額の算定

YAHOOブログ 2016/3/18 投稿
 
最近アホのような記事が続いていたので、罪滅しに、皆様がお役に立つようなネタをひとつ。
 
例えば火災保険。
うちの両親なんかは、火事で『柱一本でも残ってると保険金は支払われない』などというような、都市伝説を実しやかに信じている類なのですが、そんなことはありません。
 
『全焼(全損)』の定義がありまして、
焼失・流失・損壊した部分が、延べ床面積の80%以上である場合
損害額が再取得するための費用の80%以上である場合

には、全額保険金がでることになります。 つまり、『柱一本』では全損になると考えられるでしょう。

 
しかし、『全損』と扱われなかった場合はどうなるのか?
一円も出ないのでは…。取り敢えずご安心ください。出ることは出るのです…。
出ることは出る???
 
その場合、保険証券に書かれている金額を上限に、『時価』によって算出された損害保険金が支払われます。
 
ここでいう『時価』とは?
『再調達価額(同等のものを新たに取得する費用)』-減価償却
のことです(損害額の算定は保険法18条に規定されている。ここでは条文省略)。
減価償却分」というのは、だんだん使っていると古くなって価値が減っている分と考えてください。
 
つまり保険の目的物の経過年数が経過するほど保険金は少なくなるということです。
 
じゃあ、築30年の家が焼けてしまったらそれこそ・・・・(;´д`)
それではあまりにぎゃ~ということもあり、
最近では『再調達価額補償』がついていることが多いです。
つまり、減価償却分は差し引かれないということ。
昔は(私が保険を本職としていた頃は)5年までとか制約があったのですが、最近はいい意味で、各社横並びに補償がうけられるようになっています。
 
昔に加入された人は要注意です。
とはいっても、火災保険継続更新の時に、代理店の販売員が手数料欲しさに(補償が増えれば当然値上げなわけだから)、そのプランを勧めていることが多いです。
 
補償金額だけでなく、今一度ご自身の保険証券がどうなっているかを確認してみてください。
 
また、『再調達価額補償』があっても、契約が長期にわたる場合、建築費の変動などで、再調達価額が契約時とは異なっているということがあります。
全損時には、保険金額が全額支払われると先に言いましたが、この場合の保険金額は保険証券に書かれている金額ではなく、それを上限とした、今現在の評価額(実損額)になることに注意してください。
 
つまり保険金額では、再調達できないくらい市況の住宅建築価格が上がっていた場合保険金額で打ち止めなので、金額を超える補償は受けられない、という意味です。
 
このあたりを注意して、自身の保険証券を読みなおしてみると意外に面白いですよ。
誇張でした、面白いわけないですね