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FP事務所のんだら舎/行政書士新山文敏事務所 ブログ通信

埼玉県上尾市のFP/行政書士事務所、いろいろな情報を楽しく発信していきます!

死亡順序にご用心!

YAHOOブログ 2016/2/10より これも好評ネタでした。
 
 
3月に予定しておりました、「遺言書セミナー」が、私の都合で4月以降に延期ということになり、罪滅ぼしもこめて投稿します。
 
 
【埼玉某所公園のベンチにて、初夏・缶ビール片手に、ある日の会話】
 
だんな:俺の友達でさ、妻と二人だけで子供いない家あるんだよ。
わたし:(ビールを一気に飲み干して)ほ~。
だんな:でさ、遺言書を書くとか言ってんだよね。
わたし:そうですか。
だんな:というのもさ、友達の弟が財産よこせって言ってくるかもなんだよ。
わたし:そんなにお友達、弟さんと仲悪いんですか?
だんな:そうらしい。両親ももういないから、身寄りが弟だけみたいでね。
わたし:そうですか。
だんな:遺留分…ってやつ。兄弟姉妹にはないから遺言書で書けばOKなんだろう?
わたし:よく知ってますね。
だんな:NHKの「四角い仁鶴がま~るくおさめまっせ」でやってた。
わたし:あれ勉強になりますよね。
だんな:番組名なんだっけ?
わたし:『生活笑百科』じゃなかったでしたっけ?
だんな:ああそれだそれ。
わたし:まあ財産があるってのは羨ましいことですよ。
だんな:で、あれ、相続税は、あげる方と貰う方どっちが払うんだっけ?
わたし:・・・・(以下記事を)
 
 
 
そんな話をしていた昨年の夏、そして先日のこと、
 
 
 
だんな:夏頃、友達の話したの覚えてるか?
わたし:なんでしたっけ?友達が、旅行先でヒバゴンに襲われたとか…でしたっけ。
だんな:そんな話するか馬鹿。遺言書の話だよ。
わたし:遺言書?
だんな:子供のいない友達が遺言書を…
わたし:あ~、はいはい、思い出しましたよ。どうかしました?
だんな:あれ、その後とんでもないことになってさ。
わたし:隠し子が出てきたとか?
だんな:そんなんならまだしも、あれだよ、あれしてさ。
わたし:あれじゃわかりませんよ。
だんな:というのは、斯く斯く然々…
 
 
だんなの話をまとめると、以下のような自筆遺言書を作成してたらしいのです。
 
遺言書
私の遺産すべて妻ネコに相続させる。
平成27年7月15日 友達一郎(仮名)印
 
その後、何か考えがあったのか次のような遺言書も出てきたそうです。
 
 
遺言書
私の遺産すべて夫一郎に相続させる。
平成27年7月15日 友達ネコ(仮名)印
 
 
しかもそれだけならまだしも、テレビか書籍に感化されたのかこんな遺言書も作っていたそうです。
 
遺言書
遺言者夫友達一郎、妻ネコが同時死亡したときは、全財産を大学時代からの同級生である島根太郎(だんなのこと)に遺贈する。
平成27年7月15日 友達一郎 印
平成27年7月15日 友達ネコ 印
 
わたし:あ~まずいですね、最後の遺言書。
だんな:だろう、さらにまずいことに、昨年11月に奥さんが突然死してね。
わたし:え~!
だんな:その後、気落ちしたのか、友達も奥さんの49日が来るか前かで、
    後を追うように亡くなったんだよ。
わたし:長門裕之南田洋子のとこ、みたいなケースですね。
だんな:それはわからんが、とにかく仲のいい夫婦でね。
わたし:・・・・ってことは、相続財産はもしや・・・・。
だんな:あんたはわかるだろう。
わたし:まあ、一応この分野の端くれですからねぇ。
    ボランティアみたいになってますけど。
だんな:そうなんだよ。全部財産は、友達一郎の弟に行く事になりそうなんだよ。
わたし:やっぱり・・・・ですか。
 
 
 
【何がまずかったのか】
 
友達一郎さん、は、奥さんとともに同時に亡くなってしまっても(事故等を想定してか?)「だんな」に遺贈する旨の遺言書があるところから、よっぽど、弟さんにあげたくなかったことが想像されます。
 
まず、遺言書。前の二通は有効ですが、最後の『連名遺言』は無効になります(民法975条【共同遺言の禁止】)。
 
よって、「だんな」が裁判で争うにも勝ち目はないでしょうし、「だんな」もそれは望んでませんでした。
 
そして有効になる遺言書2通。
 
妻死亡→夫相続→夫死亡
夫が死んでいることにより形式的には『有効』の夫の遺言書は、効力を失ってしまいます。
「相続させる」胸の遺言は、それによって相続させる者とされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、遺言者が当該推定相続人の代襲者その他のものに相続させる旨の意思を有していたと見るべき特段の事情がない限り、その効力を生じない。(最判平23.2.22)
 
つまり法定相続人である残った「弟」が財産を相続できるわけです
 
もっとも妻だった「ネコ」さんのご両親なり、兄弟姉妹がいらっしゃるのであればそれに応じて、もらえる財産は変動するものと思われます。
 
例えば、
遺言書
1.私の遺産すべて妻ネコに相続させる。
2.私の脂肪より先に、妻ネコが死亡したときは、全財産を大学時代からの同級生である島根太郎(だんなのこと)に遺贈する。
 
平成27年7月15日 友達一郎(仮名)印
 
上記のような『補充遺言』であればこのようなことにはならずに済んだと思われます。
 
まあ今回は、「だんな」が財産もらえなくて残念でした!と、お酒の席での笑い事で済んだからいいものの、取り返しのつかないケースも考えられるので、遺言書は弁護士や司法書士等の専門家に訊いて、正しく書きましょう(行政書士でもいいですけど…弱気)。
 
 
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