YAHOOブログ 2015/12/9 投稿
連日、テレビのワイドショーを賑わせてた話。
DNA鑑定した結果、育てていた子が、自分の本当の子ではなかった、
として、タレントのM氏が
「親子関係不存在確認の訴え」を起こした話です。
M氏の訴えが認められて、「親子関係がない」ということで決着。
そんな話も、もうほとぼりが冷めたと思ったら、
母親の方から「M氏が本当の父親だ」と未だ反論しているそうですね。
ここでテレビを見てた人の中には、
『「DNA鑑定」によって、裁判が決着した』
科学が進んだ!と思っている人も、いるようです。
これ、違うんですね。
民法772条には、
「婚姻の成立の日から二百日を経過した後・・・・以下一部略
・・・婚姻中に懐胎したものと推定する。」
とあって、M氏の訴えが単に
200日目だったことで推定が及ばない、だから親じゃない、と結論したんですね。
まあ、それのためにDNA鑑定も考慮に入れたのでしょうが。
じゃあ、これが201日目だったら?
『嫡出推定の及ぶ子』として、親子とされたと思います。
『夫と子に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり、かつ、子が、現時点において夫の下で看護されておらず、妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても、子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではないから、嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえない。』
つまり、『DNA鑑定』で父親じゃないと分かっても、
子の保護を考えて、『父親』とした・・・とまあそういう理屈です。
この判例には、親子関係のない夫を子が
「お父さん」と呼んでいるなど、まあいろいろ背景はあったのですが、
必ずしも『DNA鑑定の結果が優先される』というわけではないのです。
ちなみに、二百日を超えていて、「父」と推定されてしまったら
『嫡出否認の訴え』ができるのですが、
子の出生を知った時から1年という期限があり、
しかもこの期間が過ぎてからの、『親子関係不存在の訴え』を
退けた判例もあるので、M氏にとっては、危なかったということですね。
そして、勘違いされがちなのですが、DNA鑑定は
『認知』をする際の証拠としては有効ということです。
子のためになりますから。
まあ『事実は小説よりも奇なり』、元妻で母の言い分が本当だとすると、
あとは、江戸川乱歩の『魔術師』のような、子の入れ替えがあったとしか
・・・・・・真実は何処に。